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2009年11月10日 (火)

無駄話<おでん>

 大根にまつわる無駄話三題目は「おでん」です。薄ら寒い秋の夕暮れ時、お腹空かせた仕事帰り駅前で、提灯に灯が入り「おでん」の匂いが漂うと、飲める人なら誰でも自然に足が向いてしまうのが「おでん屋」です。

Takohachi_main1

 「おでん」のこと関西では「関東煮(かんとだき)」で通っています。そしてその「かんとだき」の通は一番美味い具は大根だと言います。大根は周りのいろいろな具の旨味を全部吸い込んでいるというのです。大根はギャラは低いけれど「おでん一座」の大根役者ではなくて名脇役なのかも知れません。

 「おでん」一座

Oden1

 ところで「かんとだき」は関東発祥の「おでん」を真似た煮物「関東煮」から「かんとだき」になったと思われますが、おでんの由来はどうなのでしょう。

 「おでん」の原型は室町時代に出現した味噌田楽、田楽だそうです。田楽と呼ばれる料理には、具を串に刺して焼いた「焼き田楽」と、具を煮込んだ「煮込み田楽」があり、「煮込み田楽」のほうを女性言葉で「田楽」の「でん」に「お」をつけて「おでん」と呼ぶようになり、単に「田楽」といえば「焼き田楽」をさし、煮込んだ「おでん」と区別するようになったそうです。

 焼き田楽
20071201_4244381

 江戸時代になって濃口醤油が発明され、江戸では醤油味の濃い出汁で煮た「おでん」が作られるようになり、それが上方に伝わって「関東煮(かんとだき)」と呼ばれるようになったそうです。

 関東煮の語源については「かんとうふう煮」説や中国の煮込み料理に由来する「広東煮」説もある。「関東煮」は昆布・鯨・牛すじなどで出汁をとったり、薄口醤油を用いたりと独自に変化していったそうです。

 その後、関東の「おでんは」廃れていったのですがが、関東大震災(1923年)の時、関西から救援に来た人たちの炊き出しで「関東煮」が振る舞われたことから東京でも「おでん」が復活したそうです。しかし本来の江戸の味は既に失われていたために、味付けは関西風のものが主流となったのです。そのため、現在東京で老舗とされる店の多くが薄味であり、もともとの濃い醤油味の「関東炊き」は、老舗の味として関西で残っていることもあるし、東京でも一度は消えたが江戸の味はこうだったらしい、ということで作っている店はあるそうです。

 通常のおでんとは異なった種類のおでんとして、コンニャクだけを具とする「こんにゃくおでん」(「味噌おでん」とも呼ばれる)があり、だし汁ではなく湯で煮込んで熱くしたコンニャクに甘い味噌ダレを付けて食べる淡白な食品で、古い時代の煮込み田楽の遺風を残しているもののようです。

 こんにゃくおでん
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 大根は「おでん」の名脇役になったり、刺身のツマ(妻)として夫(サシミ)の味を引き立てたり、じっと重石に耐えて美味しい沢庵になったり、大地に太い根を下ろして育っただけに、堂々としていながら、黙って縁の下の力持ちをこなしているようです。



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コメント

縁の下の力持ち、大根様
重しは重くないとうまくつからないので、
ちょっと重いふとんですが、我慢して下さいね。
おでんも静岡の方ではちょっと変わったおでんだそうで、具を煮込んだ「煮込み田楽」がそれなんでしょうか?
それにしても、全ての旨味を吸い取ってしまう名脇役でもあるんですね!!
おでんをつつくと、
上に浮いているいろんな具材の下から、恥ずかしそうに顔を出してくる大根って、
もしかしたら「シンデレラ」のようなお姫様なのかもしれませんね。

             大根役者より
 

いしころとまとさん、先日NHKの「ふるさといちばん」という番組で、手間ひまかかる「いぶりがっこ」の作り方を見て、沢庵は食べない私も味をみてみたくなりました。燻され重石をされ苦労の揚句出てくる大根の味は燻し銀のような味でしょう。

いぶりがっこ、ボリボリ食べると味がしみ出て美味しいです。
私以前は秋田に住んでいたので、秋田の美味しいお漬け物がいまでも懐かしい思い出です。
なす漬けは砂糖を入れるんですね。
最初はこの味なに?という感じだったのですが、
食べ慣れたらこれほど美味しいものはない!という感じですっかりはまりました。
はたはた漬けもさいこう~~。
それにしてもたくあん食べないんですか?
あらま~~どうして?

いしころとまとさん、寒い地方ほど美味しい漬物がいろいろあるようですね、私は浅漬けの漬物は好きですが、いわゆる沢庵の匂いは好きになれないのです。

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