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2010年7月19日 (月)

無駄話<ドライリバー>

 先日、テレビでNHK「趣味の園芸」を見ていたら、東京港区にあるオーストラリア大使館の庭園の紹介がありました。この大使館は元、蜂須賀公爵家の跡だそうで、日本庭園はあるのですが、館員達が母国を偲び憩う場所として空き地だったところにオーストラリアの植物を植えて庭にしたそうです。

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 名を聞くのも見るのも始めての植物が多いですが、オーストラリアは雨が少なく、水は貴重であり、植物も乾燥に強いものが多いので、庭の造型には水を使わず川の流れを表す「ドライリバー」という様式があるそうです。日本古来の庭園の様式である「枯山水」と考え方はよく似ています。

 「枯山水」は水のない庭のことで、池や流水などの水を使わずに石や砂などにより山水の風景を表現する庭園様式で、例えば白砂や小石を敷いて水面に見たてたり、橋をかけることでその下の水を表し、石の表面の紋様で水の流れを表現したりします。

 この抽象的な表現の庭が室町時代の禅宗寺院で特に用いられ発達したそうで、従来の庭園でも技法として庭園の一部に用いられ、寝殿造庭園でも枯山水の部分を含み大名屋敷に造られていく回遊式庭園も枯山水を含んでいることがありますが、禅宗寺院で用いられて以降、独立した庭園として造られるようになったそうで、日本庭園は水を得られる場所に築くものであったのが、枯山水様式の登場後は必ずしも水を使わなくとも造園が可能になったのです。

 大徳寺庭園
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 京都の寺院では有名な枯山水の庭が多いですが、なかでも西芳寺(下段の方は池のある池泉回遊式庭園、上段は枯山水庭園)や大徳寺の庭も有名です。竜安寺の石庭は木を植えずに、塀に囲まれた庭に白砂と15個の石組のみで表現した特異なものです、どの角度から見ても石は14個しか見えないという構図になっており、その解釈を巡っては様々な説が唱えられているようです。

 竜安寺石庭
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 人が原始の時代に暮らし、そのDNAに刻みこまれた自然の原風景が凝縮されたものであるからか、「枯山水」や「ドライリバー」の庭に佇むと、もっと大きな自然に抱かれる気がして、心が安らぐのです。



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