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2010年8月10日 (火)

無駄話<絆>

 この頃、まるで夏向き猟奇物語かサスペンスドラマを地でいくような事件が相次ぎ起こります。母親が幼子2人を部屋に閉じ込め置き去りにして死ぬの承知で遊びまわっていたり、同じ屋根の下でミイラになった父親をそのままに、長女夫婦と孫2人の一家が30年も暮らしていたり、想像を絶することが起きます。

 これらの事件の因になっているのは、家族や親子の絆や、地域の人間関係の絆の希薄化であるように言われています。ではその絆とは何でしょう、今まで絆は人間には、何の煩わしさも感じず、本能として具わっているもののような気がしていました。

 親子の絆
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  「親子の絆を深める」 など、 今は良い意味で使われている絆ですが、 かつては否定的に使われたことがあったそうです。 絆は 「ほだし」 とも呼ばれ、 それはもともと牛や馬を繋ぎ止めておく綱のことだったそうです。 そこから、 平安時代などでは、 出家をしようとしても 「家族のほだし」 によって決心できない、 というような意味で用いられたそうです。

 国語辞典でも 「ほだし (絆し)」 は、 「自由を束縛するもの」 とあります。 つまり、 人と人との絆には、 「ぬくもりのある人間関係」 という今風の解釈のほかに、 「ほだし」 が表しているように、 「人の自由を縛りつけるつながり」 という負の側面があることを忘れてはいけないようです。

 夫婦の絆=ほだし
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 昨今、 家族の絆を問い直す事件が相次いでいるのは、 これは絆の負の側面ばかりが表面化したものでしょう。 「言うことを聞かなかった」 などの理由で、 きれてしまい、 子を殺害する親。 その親にとって子どもは 「ほだし」 であり、 うっとうしい存在でしかなかったのでしょう。

 人は互いに、 存在しているだけで、 周りの人に何がしかの影響をもたらしているものす。 たとえば、 幼い子どもがいるだけで両親の生活、 とりわけ母親の日々の行動は左右され、 万事につけて夫婦二人きりの生活とは異なってくる。 ほかにも、 家に病人が出れば、 ほかの家族の生活はこれまでと変わってしまう。

 人は周りの人と関わりながら存在している。 その関係が、 いい意味での絆になるか、 「ほだし」 になるかは、 人の喜びが自分の喜びとできるかどうかにかかっています。 子どもの笑顔を見て、 自然と顔がほころぶ親ならば、 子どもを殺害することはまずなないでしょう。 逆に子どもの喜びを共有する気になれない親は危険です。

 人間関係の疎遠化から、 絆を深めることが求められている現代ですが、「 絆」の裏には必ず「ほだし」のあることも承知し、 人の喜びを自分の喜びとする心の豊かさを持つことで、「ほだし」を煩わしいと感じなくなることでしょう。



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コメント

これから先、ほだしの部分が大きくなっていくかもしれませんね。
昔ちゃぶ台でみんなでつついた食卓が
家族にとっては大きな絆だったのかもしれません。

坂を登っていく夫婦、まるでそこにいるようです。
自然に手をつないで、お互いの絆が伝わってきます。
将来、私もいたわりあえる優しい夫婦関係でいたいです。
今は子どもがいるので、何となく将来の姿が見えないんですが、理想の老後をすごせたらな、と思いますよ、

いしころとまとさん、絆があってのほだしならいいのですが、先にほだしをうざく思い絆を無くなくしていくのでしょう。悲しい世の中です。

改めて「絆」を考えました。「ほだし」・・・ありがとうございます。そういえば「情にほだされ~」、「絆される」もこの字なんですねぇ。初めて知りました。今の世の中、価値観も様変わり。一番大事な「命」までこんなに粗末にされて! あぁ、このままでは日本丸沈没です。kazutyanさん、何とかして下さい。。。         ( ´,_ゝ`)ハイハイ

最近、ドラマの再放送で「ヤスコとケンジ」っていうのを観てるんですが・・。
兄と妹の話でね~。それがとっても泣けるんですぅ~。
妹思いの元暴走族の兄が、妹を守ってるんですが、かなり束縛してる部分もあったりして・・。
でも、家族愛っていいなぁ~と、つくづく感動してるのですが、
なかなか自分の家族には優しくしてあげられてないんですよね・・。

本当の意味での絆とは、きっと外にはあまり見えないものかもしれませんね。
うっとうしく感じるほだしも危険ですが、
それなくしては生きられないほだしも危険ですね。
束縛せず、依存せず、お互いいい影響を与え合いながら労わりあえる、心でつながる関係を
築いていきたいです。

チョロピコさん、昔は親子の絆、家族の絆なんてあらためて意識しなくてもありました。ほんとうに何もかもおかしくなってきています。このままでは末恐ろしいです。

cocoさん、兄妹のドラマといえば、ふるーい話ですが、「人生の並木道」を思い出します。

泣くな妹よ妹よ泣くな 泣けば幼い二人して
 故郷を捨てた甲斐がない   
遠い寂しい日暮れの路で 泣いて叱った兄さんの 涙の声を忘れたか
雪も降れ降れ夜路の果ても やがて輝く曙に
 わが世の春はきっと来る
生きてゆこうよ希望に燃えて 愛の口笛高らかに この人生の並木路

かおりんさん、外から見えずに感じずに持てる絆が本当の絆ですよね、絆をほだしと感じたらもうそれは絆ではなくなります。

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